DRADITION 2019
後楽園ホール
18:00開場 19:00開始
NEVER ENDING DREAM TOUR in TOKYO大会のポイント
◎第1試合(倉島&TAMURA vs ライオン&三州)
第1試合は田村和宏改めTAMURAを従えたドラディションの門番・倉島信行と、藤原ライオンを従えた銀座の若大将・三州ツバ吉がタッグ激突。世の流れに敏感な三州が「令和Tシャツ」を着て入場すれば、世の流れに無頓着な倉島は日焼けしたボディと鋭い眼光で三州を威嚇。三州の左腕をねじり上げては、何やら言葉を発しつつ挑発するが、マウスピース着用のため三州にも観客にも伝わらず…。
倉島は重量感たっぷりの河津落とし、ジャーマンで一気呵成に攻めるも、ライオンが絶妙なタイミングでカット。怒りの倉島はライオンを場外に叩き落とす。すぐさまリングに戻ったライオンに対して、TAMURAがフワリと宙を舞い、突き刺さるようなミサイルキック発射。みぞおちにソバットを突き刺し、主導権を握ったが、ここで三州とライオンの合体キックで悶絶させられる。
サムソンクラッチの攻防で勝負を急ぐライオンに対して、スピードで勝るTAMURAは冷静に勝機をうかがいつつ、軽やかな切り返しを見せ、小柄な体格を活かした逆さ押さえ込みでライオンから3カウント奪取。スピードの差で勝利を飾った。
◎第2試合(坂口&Sタイガー
vs 浜&新井)
第2試合は坂口征夫(DDT)と現レジェンド王者のスーバー・タイガー(リアルジャパンプロレス)が蹴撃タッグを結成し、浜亮太&新井健一郎組と対戦。ゴングと同時に、凄まじい殺気を発散させる坂口がスリーパーで新井を捕獲。コーナーの浜が「チョークだ」と抗議するも、無視したまま新井を失神寸前まで追い込み、解放後は背中に介抱代わりのストピング一撃。代わって登場のタイガーもアンクルホールド、ヒザ十字、アキレス腱固めと新井の下肢を集中攻撃して悲鳴を上げさせる。
坂口の股をくぐりつつ何とか脱出を試みた新井に対して、坂口はさらに逆十字固めで捕獲し、ついには新井は場外にエスケープし、そのまま観客席に逃走。追いかけた坂口が一足遅く、リングに戻った時には対戦相手が225kgの超巨漢・浜に入れ替わっていた。体重差を駆使した浜は、坂口とタイガーを同時に蹴散らす大暴れ。そのまま勝利しそうな勢いだったが、必殺のボディプレスがよりにもよって新井に誤爆…。呆然と立ち尽くした瞬間、坂口がジャンプ一閃、飛びヒザ蹴りを浜に叩き込み、続けてソバットで新井の動きを止めたタイガーが猛虎原爆固めで3カウント。終わってみれば蹴撃コンビの快勝だった。
◎第3試合(長井&田中&KAZMA vs KENSO&関本&YAMATO)
それぞれのベクトルで「実力者」が揃い踏みした第3試合の6人タッグマッチは6人がリングインした時点から乱戦模様。怪力・関本が豪快なアトミックドロップでKAZMAを叩きつけ、長井とセットにしてラリアートで吹き飛ばす大暴れ。弾丸戦士・田中をジャーマンで叩きつければ、すぐさま田中も同じ技で反撃するなど見応えのある攻防を見せる。
だが、KENSOと長井がからみ出すと、すぐさま試合は反則を含んだ大乱戦へとシフト。KENSOが腰についたロープで長井の首を絞め続ければ、スピードで勝るYAMATOはリング内を走り回り、相手チームをかく乱させつつ、的確なスライディングキック命中で流れを自軍をへと誘導する。
KENSO、関本、YAMATOの攻撃が長井に集中する中、踏ん張った長井は、因縁のKENSOのみに標的を絞って逆転開始。みちのくドライバーで叩きつけると、ストレッチプラムで長身のKENSOの上体をネジ切るように絞り上げてギブアップを奪い勝どきをあげた。
◎第4試合(藤波&越中&ライガー vs 藤原&ヒロ&ブラック)
獣神サンダー・ライガー(新日本プロレス)のドラディション初参戦、そして伝説のドラゴンボンバーズ復活が話題沸騰の第4試合は、ブラック・タイガーをのぞく全員が新日本プロレス出身者、いや、ブラック・タイガーもそうである可能性は高い。
まずは藤原組長とヒロ斉藤、ブラック・タイガーが全員揃って入場すると、続けてライガー、越中、藤波がそれぞれの入場曲で個別に入場、いきなりの“差別待遇”で表情を曇らせる藤原、ヒロ、ブラックだったが、ゴングが鳴るとヒロが先発のライガーと基本通りのロックアップで対峙。続いてブラックが登場すれば、藤波と越中が息の合ったダブルタックルで吹き飛ばした。
その後は新日本プロレス旗揚げ期から関係が続く藤波と藤原が、渋いテクニックと頭突き、パンチなどラフ殺法を織り交ぜた攻防。関節技の攻防を軸としたライガーと藤原の師弟対決。往年の癖でライガーの髪の毛を引っ張るも、その長髪が現在、地毛ではないことを悟ったブラックが、臨機応変な対処で、すぐさま覆面剥ぎにシフトするなど、懐かしい再会と現在進行形が入り乱れた攻防が続く。
最後はブラックの急所蹴りに悶絶させられたライガーが、藤波のドラゴン・スクリュー、越中のヒップアタックの援護射撃に大いに発奮し、掌底で悶絶させたブラックを垂直落下式ブレーンバスターで叩きつけて3カウント。29年前のドラゴンボンバーズでは、ついぞ成就することがなかった理想的な連係プレーで勝利を飾った。
試合後もドラディション初上陸の興奮が収まらないライガーは藤波とガッチリ握手を交わすと「ドラゴンボンバーズ、復活だ!」と絶叫。だがしかし、猪木とのトークショーを控えた藤波は早々に退席し、越中に至ってはコメントスペースに姿も見せなかったため「ドラゴンボンバーズ…一体どうなってんだ?」と愕然。しかし、引退を見据えて各団体との橋渡し役にも名乗りを挙げる獣神は「たとえば、LEONA選手と、うちのヤングライオンたちがガンガンやり合ったって面白いじゃないか?」と前向きに、次なる展望を語っていた。
◎メインイベント(猪木×藤波 トークショー)
「メインイベント」と銘打たれて行われた「アントニオ猪木×藤波辰爾」のトークショーは、ちょうど30年前、新日本プロレスが東京ドームに初進出した時のメーンイベント(猪木vsショータ・チョチョシビリ)と同じく、円形ではないもののリングから全部のロープを取り外した状態で行われた。
まずは藤波がリングに上がり、続いて『炎のファイター』とともに猪木がリングイン。笑顔で藤波に握手を求めた猪木は、いきなり藤波にハリ手を見舞いダウンさせて奇襲に成功する。
リング下に控えたプロレス研究家・流智美氏が司会進行のMCを務める中、トークショーの主旨は31年前、昭和最後の激闘と謳われた、IWGP王者の藤波に、師匠の猪木が挑戦した1988年8月8日(横浜文化体育館)の激闘だったはずだが、予定調和を嫌い、出たトコ勝負が好きな猪木イズムは健在で、トークの内容はことごとく脱線するばかり…。
「今日は昔のオンナを全員揃えられているのかと思った」
「女性と政治の話はご法度だぞ」
「昔、オレに殴られた話は時効になってないから、今から訴えてもいいぞ」
などと、らしさ全開。藤波が17〜18歳の頃、猪木と2人で旅をした帰路、アフリカの地で放置され、焦って一人で帰国したエピソードの真相なども語られた。
そして25分過ぎ、藤波から呼び込まれる形で、猪木とともに新日本プロレスを牽引し、支え続けた坂口征二相談役がサプライズ登場。金曜夜8時の『ワールドプロレスリング』で昭和のファンを熱狂させた三者の揃い踏みが、平成最後のドラディション興行で実現したことで、ファンの興奮も頂点に。藤波は坂口が小沢正志(キラー・カーン)、木村健悟らを引き連れて日本プロレスから新日本プロレスへと合流してきた日(1973年)の興奮を、昨日のことのように猪木と坂口に話しつつトークショーは終了。最後は参加全選手と、同じく新日本プロレスを支えたレジェンドである北沢幹之レフェリーもリングに上がり、全員で記念撮影。大団円で平成最後の大会を締めくくった。
試合結果
倉島信行
逆さ押さえ込み
藤原ライオン
坂口征夫
タイガースープレックス
ホールド
浜亮太
田中将斗
長井満也
ストレッチプラム
関本大介
KENSO
越中詩郎
藤波辰爾
垂直落下式
ブレンバスターから
体固め
ヒロ斉藤
藤原喜明
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