TATSUMI FUJINAMI 50th ANNIVERSARY
アクロス福岡 イベントホール
16:00開場 17:00開始
THE NEVER GIVE UP TOUR PHASE-2 IN FUKUOKA
大会のポイント
ドラディションの秋ツアー『TATSUMI FUJINAMI 50th ANNIVERSARY THE NEVER GIVE UP TOUR PHASE-2』が10月22日、地元の九州プロレスの協力を受け、アクロス福岡イベントホールにて開催。師匠のアントニオ猪木さん死去(10月1日)後、初のドラディション興行出陣となる藤波辰爾はメインイベントで、ともに猪木門下である藤原喜明組長と6人タッグマッチで対決。お互いに猪木さんから受け継いだ遺伝子を確かめ合うような攻防の末、最後は藤波が必殺のドラゴンスリーパーで高岩竜一を仕留めて勝利を飾った。試合後のセレモニーには特別ゲストの前田日明氏もリングに登場し、ともに継承した猪木イズムを後世へと伝えていくことを誓い合った――。
▼第3試合
シンプルな黒いタイツ、黒いレスリングシューズで登場したLEONAは、九州プロレスの刺客・佐々木日田丸と対戦。総合格闘技のベースを持ち、レスリング巧者として知られる佐々木の関節技に苦しみ、「どうした?2代目」と挑発される。
その後も顔面蹴りなど佐々木の挑発的な攻撃は続き、LEONAは苦悶の表情のまま10分が経過。エルボー、ギロチン、ニーとドロップ技3連発で一気に勝負に出たLEONAだったが、佐々木はしぶとくアンクルホールドでLEONAにからみつく。
残り30秒となり、ようやくドラゴンスクリュー→足4の字固めの必殺パターンに持ち込んだLEONAだったが、惜しくもそのままタイムアップとなった。
▼セミファイナル
元無我ワールド所属選手だった竹村豪氏がドラディションに初参戦。四半世紀前に「無我三銃士」(※もう一人は倉島信行)と呼ばれたMAZADAと久々の同期タッグを結成し、越中詩郎&長井満也と対戦した。
同期生とはいえ、早い段階で別々の道を歩んだMAZADAと竹村は、決して息もピッタリではなく、チームプレーをスムーズに展開したのは越中&長井だった。試合ペースを握る越中と長井の流れを断ち切るために、MAZADAと竹村はともに顔面かきむしり&チョーク攻撃と、とても無我時代に学んだとは思えないラフ殺法で反撃。さらにMAZADAが得意とする変幻自在の急所攻撃を連発して、越中&長井の動きを止めて見せた。
見事にペースを握り返したMAZADAが越中を羽交い絞めにしたところ、勝負を急いだ竹村のラリアットがMAZADAへと誤爆。長井に放り投げられた竹村に越中のヒップアタックが直撃し、さらにはコーナーから飛んだダイビングヒップアタックが竹村の顔面を直撃。3カウントで勝負ありとなった。
▼メインイベント
AKIRA、金本浩二と「元新日本ジュニア王者トリオ」を結成した藤波は、藤原喜明、高岩竜一、吉江豊組と対戦。先発はともに猪木さんの付き人経験のある藤波と藤原組長の対戦でスタートした。ロックアップから腕の取り合い、藤原が腕を極めれば、藤波が素早くエスケープするなど、猪木門下生としての基本を思い出させるような攻防に終始した。
続けて登場した金本がローキック連打で藤原組長を倒し、アキレス腱固めを仕掛けるも、あっさりと藤原組長に返り討ちに。高岩の登場でエルボー合戦となり、AKIRAがスピーディーな動きで幻惑させれば、吉江の登場とともに高重量のプレス攻撃、ヒッププレスで一気に試合の流れを変えてしまうなど、各選手が存分に個性を発揮しつつ一進一退の攻防が続く。
藤原組長が一本足頭突きで金本、AKIRAを追い込めば、金本は鋭いヒザ蹴り連打、AKIRAはムササビプレスを発射したところで、満を持して藤波が登場。ドラゴンスクリューを見舞った後に、猪木さんの必殺技・コブラツイストで高岩を捕獲したのを合図に、金本が吉江を押さえ、AKIRAが場外にて藤原組長を捕獲。そのスキに藤波が高岩をスリーパー→ドラゴンスリーパーの必殺パターンでギブアップ勝ちを飾った。
◎試合後のセレモニー
メインを勝利で飾った藤波が、単身でリングに残ったところで、福岡大会のスペシャルゲスト・前田日明氏が登場し、藤波とガッチリ握手。マイクを握った前田氏は「猪木さんが亡くなってしまいました。一つの時代が終わって、残された自分たちが藤波さんを先頭に、新日本プロレスの、猪木さんが遺したかったスタイルを(後世へと)遺していけたらと思います」と挨拶した。
その後、参戦した全選手がリング上に再集結すると、猪木さんの生前に録音された、おなじみの「1・2・3・ダーッ!」を場内で流し、それに合わせつつ全員で天国の猪木さんに届けるかのように「ダーッ!」と叫びつつ、福岡大会が終了した。
50周年ツアーで、ともに新日本の黎明期を支えてきた藤原組長(※藤原組長もデビュー50周年)と対戦した藤波は感慨深げ。前田氏がリング上で語ったように、猪木さんから伝承してきたものを、しっかりと後世へと伝えていくことを誓った。
10月30日(日曜)には大阪大会。そして12月1日(木曜)には国立代々木競技場第二体育館にて、現トップクラスにいる棚橋弘至(新日本プロレス)との一騎打ちを控えている。猪木さんから伝承してきた「何か」を伝えるのに、これ以上の対戦相手はいない。
藤波は「新日本プロレス、我々も安心して見ていますけれど。やっぱり猪木さんが何を伝えたかったか?っていう、どこかでまた僕らが言い伝えるというか、教える機会があればなと思っています」と改めて、その使命を胸に年末まで突っ走ることを誓った。
試合結果
バックドロップから
片エビ固め
倉島信行
羽根折固め
野崎広大
時間切れ引き分け
長井満也
ダイビングヒップアタックから
片エビ固め
MAZADA
AKIRA
藤波辰爾
ドラゴンスリーパー
高岩竜一
藤原喜明
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