RESULT

DRADITION 2024


後楽園ホール   17:30開場 18:30開始

DRAGON EMPIRE PHASE-2
観衆:825人


大会のポイント

メイン:藤波&永田&LEONA VS 宮原&関本&綾部
宮原組を撃破!最後は永田が宝刀バックドロップホールド葬!
セミ:越中&船木&AKIRA VS 長井&黒潮TJ &MAZADA
AKIRAが集中砲火を浴びるも、最後はムササビで撃破!
第3試合:田中将斗&納谷幸男 VS 石川修司&吉田綾斗
リング場が巨体同士の激突で震撼!決着つかずの大混戦!

 ドラディションが3月5日の後楽園ホール大会に続く、今年2回目の大会「DRADITION 2024 DRAGON EMPIRE PHASE-2」を24日、後楽園ホールで開催した。前回はインフルエンザのため欠場した藤波辰爾が復帰し、全日本プロレスのエース・宮原健斗との対戦がメインイベントで実現。ドラディションの前身・無我ワールドの立ち上げから参加した功労者である元所属選手で、3月10日に50歳の若さで急逝したフリーの吉江豊さんの追悼セレモニーとメモリアルマッチも行われた。

吉江豊さん追悼セレモニー
 3月10日に50歳の若さで急逝した元所属選手・吉江豊さんの追悼セレモニーが行われた。吉江さんは全日本プロレスの高崎大会に出場後、体調が急変し、突然の死を迎えていた。
 吉江さんは新日本プロレスで1994年にデビュー。新日本、無我ワールド、ドラディションで藤波辰爾と行動をともにし、2009年からフリーになっていた。身長180センチ、体重160キロの巨体からくり出すユーモラスかつ破壊力抜群のファイトで人気を博し、棚橋弘至とのコンビで新日本のIWGPタッグ王座、4月に死去した曙さんとのコンビで全日本の世界タッグ王座を獲得。ノア、ハッスルなどでも活躍した。
 セレモニーには藤波辰爾、長井満也、LEONAらが参列。2003年に結婚した吉江さんの妻・美奈さんに藤波から、吉江さんと藤波が対戦している試合写真のパネルが贈られ、吉江さんの兄でタレントのよしえつねおさんには長井から花束が贈呈された。
 吉江さんのカラーであるピンク色のテーピングを両手首に巻いて哀悼の意を表した藤波は、あいさつで「皆さんから愛され、日本中のプロレスファンからの応援と吉江コールが鳴り止まなくて。まだまだ十分戦えた男です」と吉江さんを惜しみ、感謝。「どうぞこれからもぜひ、吉江くんの姿を皆さんの脳裏のどこかに、いつまでもいつまでも置いておいてください」と呼びかけた。
 そして、追悼のテンカウントゴングが鳴らされ、「赤コーナー、第44代IWGPタッグチャンピオン!180センチ、160キロ。吉江豊~!」というコールに続き、吉江さんの入場テーマ曲が流された。
 藤波はバックステージでコメント。「自分にとってはまさかという感じでした。本当に彼のキャラクターは、こういう感じのアレが一番似合わないタイプの選手だからね。常に明るくて、ファンを一生懸命巻き込んでね」と改めて早すぎる別れを残念がった。
 吉江さんとは長く行動をともにしてきただけに「一時期は本当に無我から、僕の右腕となってね、地方いろんなところで走り回ってもらってね、本当にもり立ててくれたんでね、そういう意味では身内というか、そういう感じでいましたけどね」と、吉江さんへの特別な思いも明かし、「歴史という中で吉江は消えるわけがないんでね。いつまでもいつまでも見守ってほしいというところですね」と、天国の吉江さんに呼びかけていた。
 また、セレモニーの前には、吉江さんゆかりの4選手、LEONA、三州ツバ吉組と倉島信行、田島久丸組によるメモリアルマッチが行われた。
 4選手は吉江さんカラーであるピンクのテーピングを手首に施して試合に臨み、田島と倉島はコーナーに貼り付けたLEONAと三州の顔面に尻を押しつける、吉江さんの得意技を披露した。
 最後は田島が天国の吉江さんに向かって「吉江さん、ありがとうございました!」とアピールしてからのリバーススプラッシュで三州にフォール勝ち。吉江さんの得意技で追悼していた。

セミファイナル
 セミファイナルでは越中詩郎、船木誠勝、AKIRA組と長井満也、黒潮TOKYOジャパン、MAZADA組が対戦した。船木とAKIRAは新日本プロレスの若手時代、UWFの安生洋二、中野龍雄組と前座で名勝負数え歌を繰り広げて以来、近年では全日本プロレスなどでも組んでいる。
 試合は黒潮の会場中を練り歩いてファンとコミュニケートする長い長い入場で幕を開け、ファンも大「イケメン」コールで応える。長井は前回3月5日の後楽園ホール大会でデビュー45周年を迎えた越中に「何がおまえ、45周年だ!」と難癖をつけた。
 船木と黒潮との異次元対決では、船木が鋭い蹴りやチョップ、エルボーで切り込めば、黒潮は船木の張り手でダウンする度にヘッドスプリングで復活する妙技を繰り返し、ジャケットの裾をつかんでのパンチを繰り出すなど、自らのスタイルで対抗していく。
 最後は孤立したMAZADAにAKIRAが延髄斬り、越中がダイビングヒップアタック、船木が蹴りを浴びせ、AKIRAがムササビプレスでトドメを刺した。
 船木とAKIRAは「昭和の最後の生き残りです」と会心の笑み。また、船木は黒潮について「さすが世界のイケメンですよ」と評価した。
 黒潮は「俺は船木さんにずっとプロレスを教わっていたんです。あれはプロレスなのかな?殴る蹴るを1日6時間。死ぬかと思っていたけど」と、かつての師弟関係を持ち出し、「僕はここドラディションで、船木さんをシングルで超えたい」と一騎打ちを要求。「でも、組んでくれる場合は次の大会でとかはやめてください」としつつも、「倒すまでやる、ここドラディションで。次に負けたらもう1回組んでくれ。そこからはノーギャラでいいや。そこからはノーギャラの戦いですよ」と、船木越えに本気なところを見せていた。

メインイベント
 藤波辰爾、LEONA親子が新日本プロレスの永田裕志とトリオを結成し、全日本プロレスの宮原健斗、綾部蓮と大日本プロレスの関本大介という強力トリオを迎撃した。宮原は12日に全日本のシングル最強決定リーグ戦「チャンピオン・カーニバル」を制覇したばかりだ。
 宮原は前回3月5日に対戦が決まっていたがインフルエンザで欠場した藤波、LEONAはその前回大会からの遺恨を引きずる宮原と、それぞれの狙いが明白なこの一戦。宮原は藤波に「カモン!インサイド」と先発を要求し、LEONAが出るとエプロンに出て露骨に避けてみせる。ゴング後はロープに押し込み、LEONAのほおを軽くたたくと頭をナデナデしてみせる。
 これに怒ったLEONAがエルボーを連打し、フライングフォアアームで追撃すると宮原は場外にエスケープし、追いかけたLEONAは鉄柱送りで先手を取ってみせた。
 藤波が出てくると、宮原は正統派ファイトに転換。手四つからリストを取り合い、藤波のヘッドロックを宮原がヘッドシザースに切り返せば、藤波がさらにレッグロックに切り返すなどシブいグラウンドの攻防を見せる。
 宮原はLEONAとの2度目の対戦になると場外戦で鉄柱送り、頭突きと逆襲し、綾部と交代。綾部はコーナーにLEONAを5度ぶつけてダウンさせ、さらにその体の上に寝そべると、宮原は「もっと応援しろ!子供を!」と観客を挑発。綾部と交代すると、「お父さん、来なさいよ!」と挑発し、藤波に見せつけるようにドラゴンスリーパーで絞め上げる。LEONAも意地を見せ、ダブルアームスープレックスで宮原を投げた。
 ここで藤波がリングイン。藤波と宮原の2度目の対戦では、藤波がショルダータックルでダウンするも、宮原をドラゴンスクリューで吹っ飛ばしてみせた。
 宮原とLEONAの3度目の対戦では、LEONAがドラゴンスクリューや足4の字固め、ローキックで脚部を攻め込んだが、宮原はカウンターのビッグブーツで吹っ飛ばした。
 15分過ぎには永田と綾部の局面になり、綾部が身長2メートル、体重110キロの巨体を躍動させて全日本創業者のジャイアント馬場さんをほうふつさせるドロップキックやランニングネックブリーカードロップを放つが、連係につかまる。藤波のドラゴンスクリュー、LEONAの反撃の串刺しドロップキックを被弾し、最後は永田が延髄斬りからバックドロップホールドとつないで3カウントを奪取した。

 バックステージで永田はLEONAに「若いうちは後先考えずにどんどん行けばいいんだよ。今日は気持ちが良かった。目が死んでいなかった。いいものを持っていると思う。今日の気持ちを忘れずに精進してくれれば」とアドバイス。
 LEONAは「負けたくないんだよ、悔しくて、相手に勝ちたい。そしたらそんな相手が憎くなって、背中を追いかけたくなるんだよ。実績もキャリアも全部上かもしれない。でもプロレスはそんな者同士があのリングで戦っていいんでしょ?この痛み、悔しくて、絶対に忘れない。宮原健斗の背中を絶対に逃がさない!」と、宮原を追い続けることを宣言した。
 格の差をLEONAに見せつけるような戦いっぷりを見せた宮原は「藤波さんの息子、名前なんて言ったっけなあ?」ととぼけ、「もういいだろう。3度目があるかないかはおまえ次第だ。まあねえだろうけどな」とつれないコメント。藤波については「今日大事だったのは藤波さんとふれ合うことだ。手が触れた瞬間、あの人があの昭和の殺伐とした時代をくぐり抜けてきた闘争心を、体中から学ばせてもらったよ。今日俺は触れることができて、体で感じてるから」と、レジェンドと対戦できたことを喜んだ。
 そして、全日本の29日・後楽園ホール大会での3冠ヘビー級王座挑戦に向けて「さあ、安齊勇馬!今日はレジェンドが俺の中に入ったから強いぞ。おまえみたいな顔だけのスーパールーキーには3冠ベルトは重いぞ」と、王者の安齊勇馬に通告。「俺が3冠ベルトを取って、全日本プロレスを次のステージに連れて行こうじゃないか!」と意気盛んだった。
 前回大会はインフルエンザで欠場した藤波は「いやあ、久々、足が重くなり動きません。気ばかりあせって」と苦笑い。宮原には「よくあそこまでプロレスの厳しさを、LEONAを相手にしてくれた」と感謝し、LEONAには「余裕を持って受け流していたのをLEONAも分かっているでしょうし、いつ宮原君を本気にさせるか。今日目の当たりにして、次が楽しみだという感じはしました。自分が猪木さんから学んだことをこれから伝えていきたいと思います」と課題を指摘した。

試合結果

第 1 試合 シングルマッチ 10分1本勝負
△ チチャリート・翔暉
10分00秒
時間切れ引き分け
秦野友貴 △
第 2 試合 タッグマッチ30分1本勝負
吉江豊メモリアル 
LEONA
× 三州ツバ吉
9分35秒
リバース・スプラッシュから
体固め
田島久丸○
倉島信行
第 3 試合 タッグマッチ30分1本勝負
○将軍岡本
TAMURA☆GENE☆
11分19秒
カイケツから
片エビ固め
アンディ・ウー×
羆嵐
第 4 試合 タッグマッチ30分1本勝負
△納谷幸男
田中将斗
11分22秒
両者リングアウトで
引き分け
吉田綾斗
石川修司△
セミファイナル スペシャル6人タッグマッチ 45分1本勝負
○AKIRA
船木誠勝
越中詩郎
14分57秒
ムササビプレスから
片エビ固め
MAZADA×
黒潮TOKYO JAPAN
長井満也
メインイベント スペシャル6人タッグマッチ 60分1本勝負
LEONA
○永田裕志
藤波辰爾
18分56秒
バックドロップ・ホールド
綾部蓮×
関本大介
宮原健斗
試合写真
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