RESULT

- 大会名:
- DRADITION 2025
- DRAGON EXPO 1995〜無我〜
- 日程:
- 2025年11月14日 金曜日
- 17:30開場 / 18:30試合開始
- 会場:
- 東京・後楽園ホール
- 東京都文京区後楽1-3-61 後楽園ホールビル5F
【入場式】
30年前(1995年)に旗揚げされた「無我」の原点回帰を確認すべく、後楽園ホール大会は全8試合がシングルマッチとして開催。 第1試合の前には無我時代に使用されていたテーマ音楽にのって全選手入場式が実施された。 選手を代表してマイクを握った長井満也が 「本日はドラディション後楽園大会・無我、たくさんのご来場、誠にありがとうございます。選手一同がんばりますので、みなさんの応援をビッシビシお願いします!」と挨拶し、 大会がスタート!
【第1試合】 30分1本勝負 MAZADA(フリー) VS 竹村豪氏(フリー)
両者はともに無我でデビュー。MAZADAは普段の変幻自在かつトリッキーなスタイルを封印しつつ、 序盤から竹村と原点回帰のテクニカルな攻防に終始。その後は互いの歩んできた道を確かめ合うかのようなラフあり、 フェイントあり、飛び技ありといった攻防へと変化。 最後は竹村こん身のラリアットをカウント2で返したMAZADAが直後に、絶妙なタイミングでクルリと丸め込み3カウントを奪った。
○MAZADA(5分1秒、首固め)竹村豪氏●
【第2試合】 30分1本勝負 田島久丸(フリー) VS 三州ツバ吉(銀座プロレス)
序盤こそ熱のこもったグラウンドの攻防を見せた両者だったが、場外戦へと“銀座の若大将”ツバ吉を巧みに誘導した田島は、 観客席へとツバ吉を放り込んで一気にペースを握る。ツバ吉がミドルキックで反撃を試みるも、田島はひるまずに強烈なビンタから串刺しラリアット、 串刺しヒップアタックを見舞うと、なんと大技、アルゼンチン・バックブリーカーでツバ吉を担ぎ上げて堂々のギブアップ勝ちを飾った。
○田島久丸(4分44秒、アルゼンチン・バックブリーカー)三州ツバ吉●
【第3試合】 30分1本勝負 倉島信行 VS 小島聡(新日本プロレス)
関本大介(フリー)の欠場によって急きょ、小島聡の参戦が決定。無我でデビューし、自他ともに認める「ドラディションの門番」であり続ける倉島にとって、思わぬ形で実現した異色の一騎打ちとなった。
握手とともにスタートした試合は序盤こそ基本に忠実な腕や足を取り合う攻防が続いたが、倉島の大外刈りでダメージを受けた小島が場外に避難すると、それを倉島が追いかけ、小島を鉄柱に叩きつけたことから一気にエキサイト。 ラフファイトで反撃に転じた小島は、お返しの鉄柱攻撃からイス攻撃。リングに戻すと、チョップ連打から串刺しエルボーと普段の試合ペースがよみがえり、ジャンプ一閃、ダイビング・エルボードロップ!
フィニッシュモードに入った小島だったが、粘る倉島はDDT→コジコジカッターの黄金コースに耐えると、 河津落としから腕固め、腕ひしぎ狙いとネチネチと小島を痛めつけ、バックドロップからトドメのジャーマンを狙うも、 惜しくも投げ切ることはできず。そのスキに蘇生した小島がサポーターを外してのラリアットで一気に3カウントを奪った。
○小島聡(8分6秒、片エビ固め)倉島信行●
【第4試合】 30分1本勝負 越中詩郎(フリー) VS 黒潮TOKYOジャパン(プロレスリングアップタウン)
30年前の無我時代には考えられない異色カードが実現。例によって「イケメン」コールの大合唱の中、ジラしにジラし長時間かけてリングインした黒潮は、 リング上で越中と対峙してからもなかなか試合を始めようとはしない。 徐々にイライラを隠し切れなくなってきた越中に対して、お尻を叩きつつ挑発する余裕ぶりをみせる。
ゴング後、目潰し攻撃から掟破りの逆(?)ヒップアタックを見舞ってきた黒潮に対し、 怒りMAXの越中はエプロンで助走してのヒップアタックから黒潮を観客席へと投げ込み、 強引にリング内へと戻すと、さらにジャブ気味のヒップ連打からヒップアタック命中で完全に試合をリード。 河津落としからトドメとばかりに、ランニング・ヒップアタックを発射したものの、これが運悪くレフェリーに誤爆。 ついでに黒潮の花束攻撃までがレフェリーに誤爆してしまい、ここから試合は収拾不能モードへと突入。
観客席を逃げ回る黒潮を越中が追いかける「トムとジェリー」的な展開を経て、 ついに戦場は後楽園ホール2階のバルコニーまで移動。越中は「落ちろって!」と黒潮を落下させようとする。 腕一本でバルコニー手すりにしがみつく黒潮に会場中が息を飲む中、災難続きのレフェリーが両者反則の無効試合を告げて終了ゴングを要請。 無我時代では考えられない結末だったものの、黒潮はそのまま姿を消し、リングへと戻った越中は「まだまだやれるって!」と試合続行を訴えていた。
×越中詩郎(5分48秒、無効試合)黒潮TOKYOジャパン×
【第5試合】 30分1本勝負 船木誠勝(フリー) VS AKIRA(MAKAI)
新日本プロレスのヤングライオン時代に切磋琢磨していた両者は、基本に忠実な寝技、関節技、絞め技を駆使しつつ一進一退の攻防。あっという間に5分が経過する。
船木のヒールホールドでAKIRAがロープに逃げると、試合は打撃戦へと突入。 船木が掌底、ローキック、PKで一気に勝負を畳みかけたものの、間一髪でハイキックを避けたAKIRAは延髄斬りからDDTを見舞い、 レッグラリアットから必殺のムササビ・プレスを発射。2発目被弾後にカバーにきたAKIRAを下から腕ひしぎに捕えた船木は、 再びスタンド勝負から強烈なハリ手を打ち合い、裏拳を叩き込むと必殺のハイブリッド・ブラスターでAKIRAを叩きつけて3カウントを奪った。
○船木誠勝(10分13秒、体固め)AKIRA●
【第6試合】 30分1本勝負 LEONA VS 征矢学(プロレスリング・ノア)
無我ワールドのリングでデビューした征矢にとっては里帰り参戦。場内の子どもたちを中心とするLEONAへの声援の多さに、 征矢は目を丸くしつつ、子どもたちに「静かにしなさい!」と注意する一幕も。
試合は藤波とともに無我の礎を作った故西村修選手が得意としたヘッドシザースを三点倒立から脱出する攻防から始まり、 キーロックやネックロックを駆使した戦いで無我、無我ワールド、ドラディションと三つの時代の変化と進化を確かめ合うような試合となった。
5分が経過すると、現在進行形の征矢が得意とするラフ&パワーを駆使した試合展開へと変化。 体重差を利用した征矢の串刺し攻撃に耐えたLEONAはフェースクラッシャーからドロップキックを見舞い、 立ち上がった征矢にランニング・エルボーからさらにドロップキックを放ち、強烈なバックドロップ。 征矢も負けじとパワーと体格差でLEONAの勢いを止めてみせる。
ここで動きが止まると、征矢の勢いに飲まれてしまうところだったが、カウンター気味のアッパーで征矢の流れを止めたLEONAは、 フィッシャーマン・スープレックスから人間風車、さらにはドラゴン・スープレックスへとつながるフルネルソンの体勢に。 なんとか脱出した征矢にドラゴン・スクリューを見舞うと、一気に勝負をかけた。
ここで危険を察知した征矢はジャンピング・ラリアット、デスバレーボムで叩きつけ、勝利を確信したものの、 粘るLEONAはカウント2で返すと逆さ押さえ込みとさらに粘って反撃。 ここで10分が経過したが、征矢はこれ以上の粘りは許すまじと、再度のデスバレーボムでLEONAを叩きつけると、 征矢独自のフォームで打つ変型ラリアット「弾道」で一気に3カウントを奪い取った。
○征矢学(10分37秒、片エビ固め)LEONA●
【セミファイナル】 45分1本勝負 長井満也 VS 永田裕志(新日本プロレス)
21世紀初頭、長井が魔界倶楽部に所属していた時代に、新日本プロレスのリングで激闘を繰り広げていた両者(ともに1968年生まれ)が57歳となって一騎打ち。 それだけに序盤から、お互いにベーシックな腕の取り合い一つとっても意地の張り合いが目立つという展開に。
長井が掟破りのナガタロックⅠを見舞うなど、試合巧者の永田のペースを乱すことに成功したが、 その後は激しい打撃戦、お互いの必殺技を確かめ合うかのような展開へと突入。 10分が過ぎると、長井は串刺しエルボーから必殺のハイパーニー空牙を狙うも、これを永田に避けられると、すぐさまキャプチュード、ストレッチプラムへと移行。
意地がサク裂するエルボー合戦を経て、永田も負けじとエクスプロイダーで勝負を賭け、 スリーパーホールドをめぐりグラウンドでからみ合う展開から永田がナガタロックⅡ、 さらにレア技であるナガタロックⅢへと変化させる。それでもギブアップしない長井に業を煮やした永田は、 リバース式のナガタロックⅢで長井の上体をからめ取る形で3カウントを奪った。
○永田裕志(13分11秒、リバース・ナガタロックⅢ)長井満也●
【メインイベント】 60分1本勝負 藤波辰爾 VS ザック・セイバーJr.(新日本プロレス)
原点回帰の「無我」を掲げた後楽園大会のメインは、藤波と英国発祥のキャッチ・アズ・キャッチ・キャンを ベースとする前IWGP世界ヘビー級王者のザック・セイバーJrとの対戦。
握手から始まったクリーンな対決は、ベーシックな腕、足の取り合い、絞り合いで互いの力量を確かめ合うようような展開が続く。 5分が過ぎると、藤波が裏必殺技ともいえるビンタで圧倒しつつ、蹴り足を捕獲してのヒザ固め。 痛みに耐えつつもザックは藤波の腕をからみ取って丸め込みを狙えば、藤波はさらにチキンウイングに切り返して見せた。
その表情からも藤波の美しい動きに驚きが隠し切れない様子のザックは、アームブリーカーから腕へとキックを叩き込んだものの、 打撃戦でのダメージ消費を警戒した藤波は老獪に場外へと退避。 リングに戻ると間髪入れずにドラゴンスクリューを見舞う巧みな緩急ぶりで、そのまま足4の字固めへと移行。 セオリー通りに回転して逃げようとするザックだったが、藤波はそれを許さずに痛めつけ続け、ついにはザックがロープエスケープ。
足4の字のダメージからも勝負を急いだザックは、必殺のザックドライバーを狙ったが、 これを読んでいた藤波は首固めで丸め込み、これをザックが返すとスリーパー → ドラゴンスリーパーの必殺パターンに移行。 しかし、これをも切り返したザックは一気にザックドライバーを見舞って3カウント。 時空を越えた34歳差対決は若いザックに軍配が上がった。勝ったザックは深々と頭を下げつつ藤波に握手を求め、 大先輩へのリスペクトを示した。
【試合後】
マイクを握ったザックは日本語で「藤波さん、今日はホントにありがとうございました。あと少し、 英語しゃべります」と言うや、その後は英語で「16歳でデビューして以来、こんなに感激したことはなかった。 ありがとうございます。本当にありがとうございました。藤波さん、(キャリア)55年は素晴らしい。 もう1回やりたい」とアピール。
無我の目指すべきプロ・レスリングを現在進行形で示す形となった藤波も「今日はありがとう!」と呼応し、 その後は英語にてザックにメッセージ。無我時代の恒例行事であったサインボール投げがおこなわれ、 全選手集合の記念撮影を行い、大団円ムードの中、後楽園ホール大会が終了した。
【藤波コメント&大会総括】
「ホッとしました。この足がどこまで持つかっていうのと、相手が相手なんでね。 ちょっと今日は体のフシブシが…(笑)。彼(ザック)は半分も出してないんじゃない? 彼もボクとやることに対して好意的だったので、この時期に当たれたのが良かった。 これは“たられば”だけれど、もっと自分もいい時に、彼くらいの年齢の時に彼とやりたかったな。うまいね。 引き出しをいっぱい持ってて、今日は本当にその引き出しを一つか二つぐらいしか開けてないんじゃないかな。 まあ、彼のレスラー人生のなかの夢をかなえてあげられた、それとボク自身が現役としてリングに上がってる以上は悲鳴を上げるくらいの試合をしとかないとね。 自分のなかで現役としての夢が一つ二つあるので、その夢をかなえるまでは現役を続けていきたい。 ザック・セイバーJr、すごくいい選手でした。こっちからも感謝ですよ。何よりも今日は久々の、30年ぶりだったかな。 欲を言えば、本当に西村(修)が立っててくれたらなって。これはちょっと……。(今日は)西村が近くにいてくれたんでしょう。 『藤波さん、ちょっと動きましょうよ!』って感じでケツを叩いてくれたのかな?。(ザックの再戦アピールは)嬉しかったね。 これで次の目標ができるから励みになる。昨年は(高橋)ヒロム選手、 今年はザックと戦ってね、自分の感情だけで口走るんじゃなくて、実際にボクは彼らと戦っているから言えることなんだけど、凄い。 第一線でやってるっていうのはダテじゃないんですよ。今、自分は声を大にして言える。対峙する前はどうしても自分たちの物差しで色んなことを喋ってしまうんだけど、 何事も戦ってみることだね。本当に素晴らしい選手、まだまだいっぱいいるんでしょう。 そういう部分ではありがたいことですね」(藤波)
シングルマッチ
シングルマッチ
シングルマッチ
※ラリアット
シングルマッチ
無効試合
シングルマッチ
※ハイブリット・ブラスター
シングルマッチ
※弾道
シングルマッチ
〜スペシャルシングルマッチ〜
※ザックドライバー


