DRADITION 15th ANNIVERSARY
後楽園ホール
17:30開場 18:30開始
THE RISE OF SPIRIT TOUR PHASE-2 IN TOKYO
レック株式会社 Presents DRAGON CUP 2023大会のポイント
▼第1試合
ダブルヘッダーを見越した長井と諏訪魔が、試合前から「巻き」を入れて襲撃して試合がスタート。早々に場外戦で主導権を握る。長井の口うるさい指示に、諏訪魔がイライラを隠さず…と不穏な空気が流れつつ、越中とAKIRAは旧・平成維震軍を思い起こさせるようなスムーズな連係で逆襲に打って出る。
10分過ぎ。越中のダイビング・ヒップアタック、AKIRAのムササビプレスと必殺技を続けざまに長井が被弾するも、どれも諏訪魔が豪快に3カウントを阻止。諏訪魔のゲキに奮起した長井も気合を入れ直し、軽量のAKIRAをキャプチュードで叩きつけると、ストレッチプラムで強引にからみつき、上半身をネジ切るように絞り上げてギブアップ勝ち。優勝に王手をかけた。
▼第2試合
準決勝2試合目はLEONAとJによる「二世対決」からスタート。自ら握手を求めつつ、LEONAがそれに応じると、途端に蹴り上げるなど、JとMAZADAがLEONAをからかうように主導権を握り、以降はレフェリーの死角を突いた急所蹴りを連発する。
船木はあえて、その状況を静観しつつ、コーナーからLEONAの逆襲を促すのみ。10分過ぎ、逆転の機会をうかがっていたLEONAがMAZADAをブレーンバスターで叩きつけて延髄斬りを放ち、ようやく船木にタッチ。
船木はキック連打からPK、ハイブリッドブラスターでMAZADAを叩きつけるも、戦局を臨機応変に見極めては動き回るJが素早くカット。LEONAがMAZADAに張り手を見舞った後、場外のJにトペを放ったのを合図に、船木が満を持してMAZADAをハイブリッド・ブラスターで叩きつけて3カウント。こちらも決勝に駒を進めた。
▼第3試合
毎回、第1試合を定位置とする“門番”倉島の第3試合出陣に場内がザワつく中、久々のドラディション登場となる吉江と、ヒートアップの代表・TAMURAが異色のトリオを結成。これまた異色の高岩&田島&ツバ吉トリオと対戦した。
他の5人にはない「体重」という武器をフル活用した吉江が、リング狭しと大暴れ。最後は“人間ソーセージ”と異名を取るフライング・ボディプレスでツバ吉を圧殺し、存在感を示した。
▼第4試合
「DRAGON STADIUM Special Presentation Match」として行われた一騎打ちは、若者同士のスピード感あふれる攻防が続く。ともに立って良し、寝て良しと空間をフル使った攻撃で勝負を急いだが、ラスト1分となってもエルボーの打ち合いが続き、星野が秦野をコブラツイストに捕えたところで、残り時間は10秒に…。
タイムアップの引き分けに終わったが、若武者同士の駆け引き抜きのフルスロットルな攻防に、観客席からも惜しみのない拍手が贈られていた。
▼セミファイナル
どの組み合わせも異色となる6人タッグマッチだったが、最大の注目はドラディション初参戦となる“デスマッチのカリスマ”葛西純と藤波の5年ぶりの対戦だ。
リングインと同時に藤波を挑発しまくる葛西は、藤波を先発に誘い出し、さっそく手にしたフォークで刺そうとしたものの、すぐにレフェリーに取り上げられてしまい未遂に終わる…。
続いて吉田と樋口がオーソドックスな攻防を見せて、関本がパワーで藤原組長を圧倒しつつも、一瞬のワキ固めでピンチに陥り、樋口のカットで生還。その後も両軍の一進一退の攻防が続き、タッチのたびにガラリと変化するリング上の風景に場内が湧きかえる。
10分過ぎ、竹串を手にした葛西が藤波をハードコアの世界に誘わんとしたが、藤波の裏必殺技・ビンタによって阻止され、竹串は関本の額へと突き刺さってしまう。ドラディションマットを血に染めた、この一撃に藤波が大激怒。自らイスを手に藤原、吉田に一撃を加え、レフェリーの制止を無視して張本人の葛西にも殴りかかる狂乱ぶりで、ついに反則負けを宣告された。
怒りの収まらない藤波は終了ゴングが打ち鳴らされる中でも暴れ続け、ついには奪い取った竹串を葛西の額に突き刺し、今後に遺恨を残した。
「猪木さんと組んで、上田馬之助、タイガー・ジェット・シンと闘っている時のような…。若い時の湧き上がるかのような何かを感じたね」(藤波)
「新日本プロレスで天下を取った藤波辰爾に、キャリア50年の藤波辰爾に、インディ一本で25年やってきた、アンダーグラウンドで25年やってきた葛西純が反則勝ちとはいえ勝ったんだぞ。ドラディション! 藤波辰爾! これを点で終わらせるのか? 勝ち逃げしちゃうぞ。おい、一生言ってやるよ『オレっちは藤波辰爾に勝った男だ』ってな。それが嫌なら、もう1回やらせろ。次はサシだ。マッチョドラゴンとやらせろ」(葛西)
▼メインイベント
記念すべき第1回大会決勝戦の舞台に勝ち上がってきた4選手が火花を散らす中、先発は船木と諏訪魔でスタート。準決勝では不穏なムードを漂わせていた長井と諏訪魔だが、優勝まであと一歩とあり、チームワークもスムーズに軌道修正しつつ、持ち前の機動力を見せる。
長井がLEONAを場外へと叩きだしてペースを握り、諏訪魔が船木のカットを阻止しつつ圧倒。10分過ぎ、劣勢が続いたLEONAは諏訪魔のフロントスープレックスをカウント2で返すと、ラリアットを間一髪で避けてドラゴンスクリューから、ようやく船木にタッチ。
両軍ともにダブルヘッダーの2試合目。これ以上は試合を長引かせられないとの思惑もあり、早々に各選手の必殺技が飛び交い、すぐにカットという展開が続く。20分を過ぎるとLEONAが若さを発揮し、長井のミドルキック連打にフラつきつつも、長井がトドメとばかりに放ったハイパー・ニー空牙を巧みに見切って、そのまま首固めに丸め込んで大逆転、値千金の3カウントを奪った。
デビュー(2013年11月19日)から、ちょうど10年。その時、対戦した船木とのタッグ、場所も同じく後楽園ホールで、プロレス人生初となる栄冠を手にしたLEONAは豪華な優勝トロフィーを手に喜びと驚きが入り混じったかのような表情で勝利をかみしめていた。
「ちょうど10年前、ここで2人、デビュー戦をやったよね? そこから10年、10年やっていれば良い選手になると思っていたので…。頑張って成長しているね」(船木)
「10年前の11月19日、たしか大学2年生。この後楽園ホールで船木さんにぶっ飛ばされて、死ぬ思いでこのリングを下りたのを憶えています。その船木さんとのタッグでトーナメント優勝できて、本当に嬉しいです。日本のプロレス界で二世ってまだまだ珍しいし存在だし、父は誰がなんと言おうと偉大だと思います。その中でもファンの皆さんに応援してもらえるのは、ここで汗と血を流すしかないと思っています。明日、まだNOAHで試合します。また明日から生きていきます。ありがとうございました!」(LEONA)
試合結果
長井満也
ストレッチプラム
越中詩郎
船木誠勝
ハイブリッドブラスターから
体固め
ストロングマシーン・J
倉島信行
吉江豊
フライングボディプレスから
体固め
田島久丸
高岩竜一
時間切れ引き分け
関本大介
藤波辰爾
反則勝ち
レフェリー暴行
葛西純
藤原喜明
船木誠勝
首固め
長井満也
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